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中学生・高校生のお小遣い事情

以前のコラムで、小学生のお小遣い事情を見ました。

7割強の小学生がお小遣いをもらっていることが分かりました。

 

では、お友達との付き合いも、行動範囲も一気に広がる、中高生のお小遣い事情はどうなっているでしょうか。

 

前回と同じく、2015年度の「子どもと暮らしのお金に関する調査」を見てみましょう。

 

一部の図表では、過去の調査も参考にしています。

 

(1)中学生・高校生の8割がお小遣いをもらっている

 

今回の調査では、お小遣いをもらっている中学生・高校生も8割を超えています。

このグラフは、過去2回の調査データから、お小遣いをもらっている小学生の割合の推移を表したものです。

平成17年度調査から約10年の間に、中学生も高校生もお小遣いをもらう割合が少しずつ減っている傾向がありますが、いずれも全体の8割以上を占めています。

 

(2)親からお小遣いをもらっている割合が最も多い(複数回答)

 

お小遣いを親からもらっている割合が中学生も高校生もどちらの場合においても最も高く、次いで、祖父母からの割合が高いことがわかります。1,2割の生徒が、しんせきからお小遣いを受け取っていることが分かります。

 

(3)お小遣いの金額は、中学生 月額1,000円、高校生 月額5,000円が最頻値

 

中学生のお小遣い額は、月額1,000円が最も多い回答(最頻値)となっています。平均値は、月額2,536円です。

高校生のお小遣い額は、月額5,000円が最も多く、平均値は月額5,114円です。

 

 

(4)中学生は1割強、高校生は1割弱が、「家の仕事をして」がお小遣いをもらう

 

中学生の7割強、高校生の8割強は、「何の前提条件もなく」お小遣いをもらっています。これは、いわゆる「定額制」ですね。

一方、何らかの「報酬制」でお小遣いをもらっている割合は、中学生が約2割、高校生が1割強です。このうち、中学生の1割強、高校生の1割弱が「家の仕事をすること」がお小遣いをもらう条件となっています。

 

(5)交友関係や行動範囲の広がりに伴う支出が多い

 

中学生、高校生ともに、1位、2位は食事やおやつなど飲食代です。

 

家の人や友達へのプレゼントとして「人のために使うお金」として、お小遣いを使っていたり、自分の「欲しい物」だけでなく、「文房具」といった「必要な物」も自分のお小遣いから出していることが分かります。

 

行動範囲の広がりに伴い、「休日に遊びに行くときの交通費」や「映画やライブのチケット」などもランキングされていますね。

 

 

(6)中学生では5割強、高校生では6割強がお小遣いが足りなくなった経験がある

 

年齢が上がるにつれ、お小遣いが足りなくなった経験がある(「よくある」「ときどきある」)と回答しており、うち、中学生では2割弱の生徒が、高校生では2割強の生徒が「よくある」と回答しています。

 

 

(7)お小遣いが足りなくなったら、約4割が「次のお小遣いまで我慢し、節約する」

 

もし、お小遣いが足りなくなったとしても、中学生の約4割が、高校生の4割弱が「次のお小遣いまで我慢し、節約する」と回答しています。

次いで、多い回答は「貯めておいたお小遣いやお年玉などのお金を使う」で、中学生では15.3%、高校生では19.6%となっています。 

 

(8)中学生の約2割、高校生の2割弱が小遣い帳をつけている

 

中学生では、「使ったその日のうちに必ずつける」が7.2%、高校生では3.8%となっています。

「全然つけない」割合が圧倒的に多く、中学生では75.6%、高校生では81.9%となっています。

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調査結果を見ての感想です。

 

交友関係、行動範囲の広がりによって月額のお小遣い額も高校生の方が多くなっていますね。

 

 

中学生のうちは、お小遣い額の最頻値1,000円となっており、日常的にお小遣いを使うとよりも友達と遊びに行くときなどに限られているのではないかと思います。

 

一方、高校生のお小遣い額は、最頻値5,000円、平均値も5,114円となっていることから、相場は5,000円くらいのようですね。この中から、友達との食事代や遊興費等も出しているようなので、色々とやりくりをしているのではないかと思います。

 

 

来年(2022年)には、成人年齢が18歳に引き下げられます。

様々な契約行為ができるようになり、高校を卒業したら、もう立派な大人として扱われるようになるんですよね。

携帯電話代、1人暮らしするのであれば賃貸契約、などなど自分でお金を管理して、やりくりしなければいけません。

 

お小遣いは、社会に出る前のお金の勉強に最適のツールです。

 

「お小遣い帳」利用者は、2割程度です。生活習慣から考えるとノート型のお小遣い帳の利用よりも、スマホのアプリの方が利用しやすいかもしれません。

どんな形であれ、まずは1,2ヶ月お小遣い帳(アプリなど)を使って収入と支出を把握することをおすすめします!記録をふりかえることで、自分のお金の使い方や貯め方を考えられるだけでなく、本当にこのお小遣いの金額で足りているのか、といったことも考えることができるようになるでしょう。

 

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〈出典〉

以下の調査結果を参考に、図表を作成しています。

 

「子どものくらしとお金に関する調査」2015年度調査(第3回) 金融広報中央委員会

 

「子どものくらしとお金に関する調査」(第2回)H22年度調査  金融広報中央委員会

 

「子どものくらしとお金に関する調査」H17年度調査  金融広報中央委員会

 

金融広報中央委員会では、平成17年度を金融教育元年とし、学校教育における金融教育の推進やお金の意識、金融経済等の調査を行っています。