最近では、「しゅうかつ」とネット検索すると、「終活」とヒットすることが当たり前になってきました。
個人的には、この変化は感慨深いです。
なぜなら、一昔前は「しゅうかつ」と言えば、「就活」がヒットするのが一般的。検索する時も、わざわざ「終」と「活」を分けて入力していたような。
この頃は、「終活」という言葉に対して、どちらかというとネガティブなイメージを持たれている方が多かったように思います。
私自身、定年退職前の両親に「終活」も視野に入れたライフプランの見直しを提案したところ、「終わりの活動だ、なんて・・・」と敬遠されてしまった苦い経験があります。
(この時は、現役バリバリで忙しく働いていた両親の気持ちよりも、お節介な自分の気持ちを優先してしまった私に原因もあるのですが・・・)
「終活」とは、介護や特に終末医療の希望、葬儀やお墓などの準備、また生前整理を行ったり、相続のための計画や自分の意思などを残しておくことがあげられます。
2010年には「新語・流行語大賞にノミネート」され、この頃から雑誌やテレビなどでも目にすることが多くなってきました。
最近では、若い世代も「他人事ではないぞ!」と感じるはずの「デジタル終活」も注目を浴びています。
そして、「終活」とセットで登場するのが、いわゆる「エンディングノート」です。
※ノートのネーミングは色々とありますが、ここでは広く認知されてきた「エンディングノート」という言葉を使わせていただきます。
自分の歴史を年表のように振り返られるものから、これからの人生で実現させたい夢や希望をたくさん記入できるもの、また残される者に対するメッセージが記入できるスペースを十分に確保しているものなど、色々とあります。
「終活」と言う言葉が誕生した頃から存在しているノートは、どちらかというと必要な情報に加え、自分の想いを残せるものが多いように感じています。
サイズもB5サイズからA4サイズ、結構分厚いものもありました。
しかし、最近では「エンディング」という名前にとらわれず、想いよりも情報重視で、大事な情報を一元化しておけるアナログの媒体として若い世代でも使いやすいものが多く登場してきました。
100円ショップ各社でも、オリジナルデザインでテーマ別に分冊タイプのものが登場してきています。
通帳サイズやA5サイズなど小型化し、1冊あたりは非常に薄く場所も取らないようなサイズ感です。
以前に比べ、多くの人にとって身近で必要なものとして認識されてきているのではないでしょうか。
私自身、現在も未来も幸せに生きていくために、いわゆる「エンディングノート」を活用して、現状と将来の希望を整理することが大事だと思っています。
これは、まさにFPが得意とするところのライフプランのデザインです!
こうした日常的な備えと意識がいわゆる「終活」といわれる「もしもの時」に自分や家族の支えとなり、助けてくれるんだと考えています。
だから、退職後だからとか若いからとか、年齢は関係ないんですよね!
自分の好みものや書きやすいもの、大事な情報だけでも書き留めておけるもの、など選ぶ基準は十人十色。
ぜひ、気に入ったノートを準備して、忙しい日々の中でも、現状と未来のことを考える機会を作られてみてはいかがでしょうか。
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シリーズ【もしもに備える】では、子育て世代が「もしもの時」に備えて今からできること、知っておきたいことなどを少しずつお伝えしていきたいと思っています。
ファイナンシャルプランナー 原田幸子