子ども名義の口座、お持ちですか?
わが家は、生後半年の時に「貯める専用」目的で子ども名義の口座を作りました。
通帳・印鑑・キャッシュカードの三点セット。
4年前ですが、銀行開設したら、この基本セットに、オプションでネットバンキング用のパスワードカードがついてくるみたいな感じでした。
しかし最近では、銀行口座を新規開設する際は、ペーパーレス、ネットバンキングが主流で、紙通帳の発行はオプションの1つとなってきています。(ここでは、店頭窓口のある金融機関を前提にしています)
普段、入出金が多い大人の場合は、スマホアプリで即時確認できるのでネットバンキングはとても便利なのですが、子どもの大事なお金を子ども名義の口座で管理するとなると、ちょっと話が変わってきます。
■所有している「貯める専用」の子ども名義口座の実態(わが家の場合)
- 年数回の入金のみ
- 記帳は、入金時に、利息や残高を確認
- 定期的に、ネットバンキングに残高確認(基本的に動きがないので年数回程度)
基本的に「貯める」専用の口座の場合、大きな動きは年に数回程度ではないでしょうか。
このように利用頻度も少ないので、少なくとも子どもの代わりに親が管理している間は、紙通帳があると便利だと、個人的には思っています。
■紙通帳が便利だと思う点(子どもの代わりに親が管理している間)
- ネットにアクセスしなくても、入出金の記録を簡単に確認できる
- 入出金の理由・思い出を子どもも確認しやすい(何歳の時のお年玉、お祝など)
- 親に万一のことがあった場合、紙通帳があればひとまず安心(口座の存在を証明できる)
子ども名義の口座で、主に「貯めること」を目的に、これから口座開設を考えていらっしゃる場合は、まずは口座開設予定の金融機関の最新情報のチェックをオススメします!
と言いますのも、近年、新規口座開設分から紙通帳発行手数料や未利用口座管理手数料が新設され、都市銀行だけでなく地方銀行や信用金庫でも各種手数料の導入がはじまっています。
これまで日本では、ATM利用手数料や振込手数料など、サービスを利用する場合の手数料はありましたが、口座を開くときや利用していない場合にお金がかかることは、ほとんどありませんでしたよね。
しかし、長きにわたる「超低金利」の影響で、金融機関の収益は厳しい状況となっているようです。
■金融機関の手数料導入の背景
- 金融サービスのデジタル化を推進して、コストを削減したい
- 1口座あたりの印紙税年間200円の負担を削減したい
一方で、海外の銀行口座の動向を見てみると、アメリカやフランス、ドイツをはじめ、シにンガポールや中国、タイなどアジア圏でも、口座管理料として「口座維持手数料」を月額で徴収しています。
ただ、利用状況や最低預金額など一定条件を満たすことで、手数料が無料となる場合が多いようです。
今後のことは、まだわかりませんが、現在、日本で導入が進んでいるのは、次の2つの手数料です。
- 紙通帳発行手数料・・・紙通帳を発行する場合の手数料
- 未利用口座管理手数・・・・一定期間利用していない場合に口座を維持するための手数料
- 今のところ、新規開設分が対象
- 口座から手数料徴収ができなくなったら、自動解約
要するに、利用の仕方で、手数料がかかってくるのです。
では、利用頻度が少ないと予想される子ども名義の口座の開設や所有は、今後どのように考えたら良いでしょうか。
今後の対策を整理してみましたので、ご参考になさってください。
■対策編:利用頻度が少ない口座開設や口座所有どうしたらよい?
(1)すでに、子ども名義の口座がある場合
①公式発表されている手数料関係の確認
- 現時点と今度導入予定の手数料とその金額
- 手数料の支払い頻度の確認・・・1回限り or 年額?
- 対象の口座は、新規のみ or 既存 ?
- 年間手数料が不要になる場合の条件の確認
②通帳型のみの利用の場合は、ネットバンキングの申込を検討
流れは、ペーパーレス化。ネットバンキングへ移行しやすい状況を事前に準備しておくとよいでしょう。また、ログイン方法や管理用メールアドレスなどの情報も忘れずにメモしておきましょう。
③年数回の入出金など利用履歴
未利用口座として認定されないための条件を確認して、最低限の利用履歴を作りましょう。
(2)これから、子ども名義の口座を開設予定の場合
①開設予定の金融機関の公式発表情報を確認
- 現時点と今後の導入予定の手数料とその金額
- 手数料の支払い頻度の確認・・・1回限り or 年額 ?
- 対象の口座は、新規のみ or 既存 ?
- 年間手数料が不要になる場合の条件の確認
- 手数料対象となる年齢、子どもの場合は ?(たとえば、金融機関によっては、17歳までの新規口座開設には、紙通帳発行手数料がかからない、といった条件があります)
➁余裕があれば、他の金融機関と比べる
③利便性と手数料など、トータルで口座開設する金融機関を決める
今後、多くの金融機関で口座開設時の手数料はかかってくるでしょう。なので、子どもの代わりに親が管理しやすいかといった利便性や、いつまで使う予定の口座か、といった視点も合わせて、トータルで判断して決めていけるとよいですね。
④ペーパーレス化を選択する場合は、必ず口座の存在を知らせる方法を確保
いわゆる「エンディングノート」のようなノートに、情報を一元化しておく(ログイン方法や、管理用メールアドレスなどもメモしておく)
今のところ定期的な利用や一定条件をクリアしていれば、必要以上に心配する必要はなさそうですが、今後の金融機関の動向は気をつけてみていきたいですね。
ちなみに、ネット専業銀行の口座開設の場合は、印鑑不要のところも増えてきていますよ。
子どもの年齢などによっては、ネット専業銀行という選択肢もあるかもしれませんね。
■まとめ
今は、アナログ(通帳と印鑑)からデジタルへの移行期間だと思います。
アナログであることの安心感や、何となく感じるありがたみ(←感覚、古い!?)もありますが、
デジタルネイティブ世代の子ども達には、自分のお金もしっかりとデジタルで管理できるようになって欲しいと願います。
アナログであれ、デジタルであれ、扱うものは「お金」です。
それを管理する力は、それぞれ個人に関わってきます。
親子で、マネー&デジタルリテラシーの向上がますます必要になってきますね!
一緒に、家庭でできる"お金の教育”すすめていきましょう!
ファイナンシャルプランナー 原田幸子
(2021.9.1 一部修正・更新)